ガールズちゃんねる
  • 9464. 匿名 2024/04/29(月) 23:18:24 

    >>9462
    己の趣味に全振り
    全6話です
    ⚠️本当に書きたいように書いてます

    不思議な喫茶店 🌫️


    「あっもう夕方?」
    ふと外を見ると雨はいつの間にか止んでいて、綺麗な夕焼け空が広がっている。
    話に夢中で全然気付かなかった。

    「話ができて楽しかったよ」
    「うん。僕も楽しかった」
    「…また、会える?」
    「ん~…どうかな」
    その子はちょっと困ったような笑顔を見せた。
    「……あっそうだ!これあげる」
    そう言って、その子は私の手に何かを乗せた。
    見てみるとそれは私の手のひらの上でキラキラ光っている。

    「──綺麗」
    「それ、持ってて。それ持ってたらまた会えるかも」

    「ありがとう。私またこのお店に来るね」
    「…うん、わかった」

    私はバッグを持って席を離れた。
    「ごちそうさまでした」
    お会計を済ませて男の子の方を見ると微笑んでこっちを見ている。
    私は笑顔で手を振ってから、お店のドアを開けた。



    つづく

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  • 9469. 匿名 2024/04/29(月) 23:19:44 

    >>9464
    己の趣味に全振り
    最後です
    ⚠️本当に書きたいように書いてます

    不思議な喫茶店 🌫️



    「またのご来店をお待ちしています」
    マスターの優しい笑顔に見送られ外に出た。

    ドアを閉めた途端、急に強い風が吹いておもわず目を瞑ったが、風はすぐに収まった。
    「な、に……今の風…」
    目を開けた私は自分の目を疑った。
    建物がない。あったはずの建物がないのだ。さっきまでいた喫茶店が跡形もなく消えている。
    そこにはただ空き地が広がっている。

    私は呆然とするしかなかった。夢だったの……?
    バッグの中を確認してみる。さっき、あの子にもらった物───
    夢じゃない。今、私の手のひらにある。

    ───またね───

    あの子の声が聞こえた気がして、私は急いで後ろを振り返った。
    でもそこには誰もいない。

    「うん…またね…」
    不思議な出来事だった。不思議な喫茶店の不思議な人たちと、名前も知らない不思議な男の子。またあの喫茶店を見つけることができるかな。またあの子に会えるかな。

    「……帰ろ」
    私は自分に言い聞かせるように呟き、夕日に照らされた道を歩き出した。



    おわり
    あとがきに続きます

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