【2次元】鬼滅の刃で彼氏にしたいキャラPart16【妄想】
17940コメント2024/05/12(日) 20:57
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10781. 匿名 2024/05/02(木) 20:23:49
>>10593
⚠️🧈
⚠️流血表現あり
②
「痛かったら言ってください」
野郎どもが相手だと絶対に言わない台詞を吐きながら彼女の肌に針を刺した。
僅かに眉の辺りをぴくっと動かした彼女は、呼吸を忘れて地面の辺りを見つめている。
「我慢強いっすね」「……そう?」
声も漏らさずにじっと耐えている様子に、逆にこちらが耐えられずに声をかけると彼女が身体の力を抜いた。
そして表情をゆるめると、少し乱れた髪を整えた。さらっとした黒髪が、彼女の指の動きに従って、右へ左へと揺れている。
少し落ち着きを取り戻しつつあるのか、顔色が先程よりも良くなってきたな、と密かに安堵した。
「はぁ、油断したわ本当に。こんな怪我なんて久しぶり」
決まり悪そうな声で話し始めた彼女に相槌を打つ。無言でじっと自分の手元を見つめられているよりもそっちの方が気楽でやりやすい。
彼女も彼女で、話好きな一面があるらしく、この度の大捕物の顛末を話して聞かせてくれた。
「──でさ、ちょっと余所見してる時にこう、ガリッとやられちゃったのよね。でも、ここは私が!なんて大見得切っちゃってるから我慢するしかなくて。それから直ぐに応援が来てなかったらやばかったかも」
からっと笑い話にして語る話の内容は己の命を懸けた戦闘だというのにも関わらず、彼女の語り口は軽やかで、それが余計に痛々しさを煽っている。
ふっくらとした唇や水分量の多いように見える瞳を持つ彼女は、間違いなく美人の部類に入ると思う。それ故に鬼殺隊の男たちの間ではちょっとした有名人だ。
だが隊服に覆われていて普段は見えない素肌には、沢山の傷跡が刻まれていた。
それらが目に入り、彼女の生きてきた道の険しさを想像してしまう。野郎どもの傷跡など死ぬ程どうでもいいのだが、別嬪の秘めたる傷跡とくれば話は別だ。俺も男だからな。
「恥ずかしいな……あんまり綺麗じゃないでしょ?」
俺の不躾な視線に気が付いたらしい彼女が呟いた。
「いや、別に」と取り繕うが、先ほどまでの砕けた雰囲気は霧散してしまった。白けた空気が俺と彼女の間に流れる。
視線を泳がせて、なにか話題を探して口を開こうとしては閉じることを繰り返す彼女。きっと普段からこうやって人の気持ちを汲み取りながら過ごしているのだろう。
「──自分、後藤っていいます」
「へ?」
「いや、なんか得体の知れない奴に手当されるのも気色悪いかなって思って」
何やってんだと自分でも思う。けれど、命懸けで闘ってくれてる人間が、俺ごときに気を遣うのは申し訳ない。そう思ったから。
「歳は二十三で、出身は都内」
「好きな食べ物は?」
「……カステラ」
聡い彼女が質問をしてくれた。有難く質問に答えさせてもらった。
身長、趣味、犬派か猫派かとか、そんなどうでもいい質問に答えながら傷口をちくちくと縫っていく。
「恋人は?」
「っ……。いねぇ……」
屈辱的な質問に、唇を噛み締める。
ふっと密やかな笑い声が聞こえた。馬鹿にすんじゃねぇよ、小娘が。と一瞬だけ瞳を上げて彼女を睨んだ。
「ごめん……ちなみに私も居ないよ」と埋め合わせのつもりか彼女が言った。
縫合が終わり、化膿止めを塗った上に包帯を巻き手当が終わった。野郎どもの時とは違ってかなり丁寧にやったので、時間がかかったが出来はよかったと思う。
「ありがとう、助かった」
清潔な包帯が巻かれた患部を満足そうに確かめた彼女は、澄んだ瞳を細めて笑いかけてくれた。昇りつつある陽光に、肌が無防備に照らされている。
俺は自分の隊服の釦を外すとそれを脱ぎ、彼女の肩にかけてやる。
「……疲れてるから良く休んだ方がいいですよ、傷の治りも早くなる」
「あ、ありがとう」
あー、何やってんだ俺はよぉ。と明後日の方を見ながらこそばゆくなった首筋を掻く。
──その瞬間。
「馬っ鹿野郎!……なにやってんの」
彼女が動き、俺の顔を覆う布をずり下げたのだ。
「だって、隊服借りちゃったんだもの。返さなきゃいけないけど顔が分かんなかったら返しようがないでしょう?」+28
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10785. 匿名 2024/05/02(木) 20:25:15
>>10781
②の続き。
ふっくらとした唇をツンと尖らせた彼女は勝気な瞳で俺を見上げてそう言った。
「後藤さん。私の名前は──」
彼女は名乗る。でもごめん、知ってんだわあんたの名前。だってあんた俺の好みドンピシャなんだ。
ぶっちゃけ言うと、今日で完全にあんたに落ちた、馬鹿野郎。
おわり(なんかいつか続き書きたい)
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