ガールズちゃんねる
  • 1. 匿名 2024/03/14(木) 23:45:42 


    僕はですね、憧れというか、大先輩で、心の師匠だと思っているんですけど、大杉漣さんっていう俳優さんがいらしたんですけど。その方に役者道って言ったらあまりにも古臭い言葉ですけども、そういうのを学んだんですよね。俳優って、なったものの、自分がどうあるべきかとか、自分がどういう風に立ち位置を作っていっていいかっていうのは、教科書がないじゃないですか。

    誰かが教えてくれるわけでもないじゃないですか。もちろん自分の中にあるものを出すのが俳優なんですけど、演じる以外のところで俳優として、これから年齢とともにどういう風に立ち位置を築いて、どういう風に俳優というものを考えて捉えていけばいいのかっていうのが分からなかったんですよね。

    <中略>

    撮影をしてモニターを見て「はい、じゃあチェック」って言われて全然納得いかないじゃないですか。自分のお芝居に、基本的に。「よっしゃー!」なんて思ったことは一回もないじゃないですか(笑)。いつもがっかりして、“こんな芝居しかできなかった“って、漣さんに相談しに行くと、「いや違うよ、永遠だよ」って。

    永遠にこの気持ちなんだって。永遠なんだと思ったらちょっと大変ですけど、でもちょっと楽になったりしてね。“そうか永遠なんだ”って。だからこそ頑張らなきゃいけないし、目の前のお芝居、目の前の役について一生懸命頑張らなきゃいけないんだよというメッセージをくれたような気がして、すごく楽になったんですよね。芝居って難しいじゃないですか。

    <中略>

    でも結構、辞めようって思うことが何回かあった。

    <中略>

    でも俳優の辞め時って、もちろん仕事で何かオファーが頂けなかったらいつでも辞められるんですけど。オファーを頂いちゃうと、こんな僕でもオファーを頂けるってことは現場に行っていいことなのかな、みたいな。ちょっと図々しいですけど。それで、前の現場でちょっと悔しかった思いとか後悔してる思いとかっていうのを、次の現場でぶつけさせてもらって。恩返しじゃないですけど、やり抜くしかないなって。ちょっと割り切りながらずるずる、ずるずるですよ。

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